ホルモンは、人間の生命を維持していくための機能調節に重要な役割を果たしています。脳、甲状腺、副腎、卵巣、精巣などからさまざまなホルモンが血液中に分泌され、それぞれ別の組織や器官の働きを調節しています。ホルモンの量は、一定に保たれるように調節されていて、多すぎても少なすぎても体の調子は悪くなります。
いくつかのホルモンは加齢とともに分泌が減少します。ホルモン分泌が減ると、老化をすすめるばかりでなく、多彩な症状や病気の原因となります。また、ホルモンの分泌は、年齢だけでなく、生活習慣や環境によっても変わります。ホルモンバランスを整えることは、健康的な生活を送るうえで非常に重要なことです。
三番町ごきげんクリニックでは、以下のホルモン検査を行っています。
- 女性ホルモン
女性が女性らしくあるのは、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの働きがあるからです。女性ホルモンは、特に女性の健康を維持する上で重要な役割を果たしています。20代をピークに分泌量が減少し始め、閉経期に一気に減少します。そうすると、自律神経の働きが乱れるため、ほてり、のぼせ、発汗、不眠などの症状が現れてくることがあります。更年期症状は、加齢に伴い女性ホルモンの分泌が減ることにより起こりますが、若い人でもストレスや食生活の乱れ、過度なダイエットなどでエストロゲンの分泌が減り、更年期のような症状を起こすこともあるのです。 - 男性ホルモン(テストステロン)
男性ホルモンは精巣の間質細胞で産生されるホルモンで、いわゆる男性の特性を亢進させる働きをしています。精神活動を活発にする、性衝動の促進、筋肉や骨の形成を促進するほか、動脈硬化の予防、細胞の老化やがん化を防ぐ作用があることが知られています。最近では、男性ホルモンの減少により、生活習慣病、脳卒中、心筋梗塞、うつ病(男性の更年期症状としてよく見られる)、認知症など、さまざまな病気を発症することも分かってきました。
テストステロンは20代でピークになった後、加齢とともに徐々に低下し、70歳以降になると急速に下降します。女性にも低レベルですが存在し、筋肉の形成、性衝動のコントロールを司っています 。 - DHEA
DHEAは、副腎から分泌されるステロイドホルモンで、加齢とともに減少するホルモンの1つとして知られています。50種類以上のホルモンのもとになるため、『ホルモンの母』といわれ、免疫力を高め、感染症、冠動脈疾患、骨粗しょう症の発病率を下げるだけでなく、ストレスに対抗する働きがあります。しかし、20代をピークに加齢とともに減少してしまいます。減少により免疫力低下、筋力低下、更年期障害、痴呆、肥満、骨粗しょう症や糖尿病などと関連があるといわれています。 - コルチゾール
コルチゾールは、副腎でつくられる代表的な副腎皮質ホルモンです。ストレスにより分泌が増えるため『ストレスホルモン』といわれています。ストレスに対する働きのほか、炎症やアレルギー症状を抑えるなどの働きがありますが、過剰な分泌はむしろ身体に悪影響を与えます。 - 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは代謝をつかさどる重要なホルモンで、体温調節、新陳代謝を盛んにするなどの働きがあります。日本人女性の3人に1人は甲状腺機能に異常があるといわれています。甲状腺ホルモンが減ると、疲労感、むくみ、免疫力の低下、頭痛や情緒不安定、食欲不振などが起こります。甲状腺ホルモンは多すぎてもバセドウ氏病という病気になります。 - 特殊なホルモン検査 〜エストロゲン代謝検査〜
乳がんの発症と女性ホルモンであるエストロゲンの関係について多くの研究がなされ、その因果関係が証明されています。
最近の研究によると、エストロゲンの代謝物である2-水酸化エストロン(2-OHE1)と16α‐水酸化エストロン(16α-OHE1)は乳がんリスクを予測するマーカーになることがわかっています。この検査により、乳がんを抑制する働きのある2-水酸化エストロンと乳がんの患者さんの場合に高値となる16α‐水酸化エストロンの数値、つまり2:16αの比率および代謝を調べることは、乳がんのリスクを知るうえで非常に有用な情報となります。