食後、数時間から数日後に、頭痛、疲労感、肌荒れ、腸やメンタルの不調などの慢性的な症状が現れる「遅発型フードアレルギー」。食後急激な症状が出る即時型のアレルギーと異なり、症状が現れるのが遅くかつ比較的軽微であるため、原因が特定しにくく、病院でも単なる体調不良とみなされてしまうという特徴があります。
一方、血液検査のデータから、分子整合医学にもとづいて栄養バランスを評価する「栄養分析プログラム」。人間ドックや一般的な健康診断とは違う視点から栄養の過不足をみることで、より健康な身体づくりに役立つプログラムです
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プロテニスプレーヤーの藤原里華さんは、約1年前に遅発型フードアレルギー検査と栄養分析プログラム検査を受けました。その後、ご自身に足りていなかった栄養の摂取と、アレルギー食物の除去に取り組み、かつてないほどのコンディションの良さを実感していらっしゃいます。自分に合った食べ物をとることの大切さを体感されると同時に、メンタルの上でもとてもポジティブな変化が現れたと言います。
食事と心身の健康にはどのような関係があるのでしょうか。三番町ごきげんクリニックのスタッフが詳しいお話を伺いました。
― 具体的にはどんな変化があったんですか?
藤原 まず、アレルギー食物を控え始めて1-2週間で朝の目覚めが良くなったんです。それと同時に体重も少しずつ減っていきました。半年経ってみると明らかに無駄な脂肪がおちて、動きやすくなりました。体脂肪率も今日測ってみて、その減り具合にびっくりしたんですよ。体重についても、何をやっても一定のラインから減ることがなかったんですが、フードアレルギーの取り組みで自然と4kg減りました。
自分が変わりたいと思っているのに、今まで変われなかったのがすごいストレスでした。こんなに気を付けているのに体脂肪が減らないとか、これだけ動いて追い込んでるのに体脂肪が減るよりも先に怪我をしてしまったり。それは食事に問題があることは分かっていたけれど、解決方法が自分では分からなかったんです。でも、それが分かるチャンスをいただけたことにすごく感謝しています。
― ありがとうございます。これまでも、体重を減らすための工夫をいろいろとされてきたのですね。
藤原 体重は、怪我なくコンスタントにプレーできているときは一切減ったことがなかったんです。体脂肪率もアスリートにしては多いと思っていたんですが、お菓子をやめても落ちなくて、何をやっても成果が出たことがなかったですね。
なので、骨格筋量が減らないで体脂肪と体重だけが減る、というアスリートらしい身体になれたのは初めてなんです。これまでやったことがないダイエットでした。たぶん、アレルギー性のある食べ物をとって身体がストレスをかかえていたんだろうなと思いました。無駄に脂肪がつくのは何かしら身体が拒否反応をおこしていたからなんですね。
― それだけ体重を落とせたとなると、周りの人から何か反応がありましたか?
藤原 会う人会う人に「身体変わったよね」とか「何したの?」などと言われます。長年変化がなかった身体に変化が訪れたのでみんなびっくりするみたいですね。聞かれると、「フードアレルギーがあるので、アレルギーの食物を控えているんですよ」って教えてあげます。「日本人の8割は中等度以上の卵アレルギーですよ」と言うと、「えーっ」て驚かれたりして(笑)。
― テニスのパフォーマンスにおける変化は何かありますか?
藤原 プロテニスプレーヤーは1年を通じて試合があるので、日常をどうストレスなく過ごせるかというメンタルの充実度がパフォーマンスにそのまま影響してくるんです。ですので、自分の中で常に抱えていた「身体を変えること」に対するストレスが減ったことで、とても前向きになれていると思います。
昨年検査を受けた半年後に、長年痛めていた足首の手術に踏み切れたのも、もしかしたら、体調がよくなってモチベーションがあがってきたために、判断力がついてきたせいかもしれないと思っています。足首の調子がすごくよくなって、今、過去にないくらい前向きな気持ちでテニスに向かっています。いろんなことが好転し始めたきっかけがこの検査だった気がしているんです。