症例
ケース別に遅発型フードアレルギーの症例をご紹介します。
ケース別症例
メンタルの不調、不眠・慢性的な眠気
32歳 女性 会社員眠気・倦怠感の原因は、大好きで健康のために食べていた卵だった
「朝の目覚めが悪い」「日中ずっと眠い」「落ち込みやすい」「仕事が手につかない」「疲れやすい」「口唇ヘルペスがよく出る」「アトピー性皮膚炎」などの症状があり、食後は眠気と倦怠感がひどく仕事に集中できない状態が続くという理由でご来院されました。
健康に対する意識が高く、外食はあまりせず自炊をされていました。食事のバランスや栄養価という点で食生活には自信を持っていたようです。しかし、卵を1日2〜3個食べる、牛乳・チーズ・ヨーグルトも意識して習慣的に摂取するなどの偏りもありました。多彩な自覚症状が出ていたため、2010年4月9日、遅発型フードアレルギー検査を受けられました。
検査結果は、卵、乳製品をはじめ多くの食物に強い反応がみられました。(下記画像)。
この検査結果をもとに、卵、乳製品、ケーキ、アイスクリームなど、反応が強い食物を徹底的に除去しましたが、その代わりに毎日ベーグルを食べることが習慣となりました。
除去食に取り組みはじめてから10日で、日中の眠気がまったく無くなり、朝の目覚めも良くなりました。3か月後にはアトピー性皮膚炎の症状も出なくなっていました。6か月後の2010年11月1日の検査では、徹底して除去した卵の反応は明らかに低下していましたが、小麦はむしろ上昇していました。
卵、乳製品は徹底して除去できていたのですが、ベーグルを食べる習慣がついていたことが小麦に対する反応の原因と考えられました。
その後は、食品のつなぎとしての卵(ハンバーグや練り物、揚げ物など)は時々食べる程度で、乳製品はほぼ完全に除去しました。乳製品の代わりに乳酸菌を含む植物性発酵食品を食事に取り入れ、乳酸菌のサプリメントの摂取を開始し、ベーグルやパンは極力食べないようにしました。
1年半後の2012年6月19日には、反応の強かった小麦や乳製品を含むほとんどの食物に対する反応が低下しました。
2017年現在も睡眠の質はとても良く、毎年冬に悪化していたアトピー性皮膚炎は全く出なくなっており、口唇ヘルペスも殆ど出なくなっています。
ご本人の感想
以前は出勤してパソコンに向かうとすぐに眠気に襲われ、集中力もなく、思考もまとまりにくいため、「仕事ができない・やる気が出ない」といつも反省していました。また、同僚や上司からは「よく居眠りしているよね!」と指摘を受ける毎日でした。
血糖値の問題があるのではないかと思い、受診したところ「遅発型フードアレルギー検査」の可能性があると言われて、半信半疑で検査を受けました。
すると、自分では「健康的で完璧!」と思っていた食事に原因があったことを知り衝撃を受けました。取り組んで2週間ほどで、朝はすっきりと目が覚め、日中の眠気は嘘のように無くなり、仕事の効率は格段にUP!アイデアもあふれて周りからは「別人のようだ!」「本当は仕事できたんだね」と言われるようになりました。
私の場合、検査結果としてアレルギー反応がなくなるまで約2年かかりましたが、悩みは2週間で改善しましたので本当に驚きました。
2017年現在は、卵・乳製品・小麦なども「嗜好品」として楽しめるようになりました。※週に1~2回程度食べていますが、体調への影響はないようです。
思い返すと、「健康的」と思っていた食事自体が偏っていたのだと思います。
「バランスよく食べること」について時間をかけてご指導いただいたことに感謝しております。一人では気が付くことが出来なかったことを、今でもマラソンの伴走者のように継続して教えていただいております。「万人によい」ことはなかなかないと思いますが、良くわからない体調不良でお悩みの方にはこの検査と取り組みはお勧めです。
偏頭痛・頭重感
38歳 女性 看護師あの偏頭痛は卵が原因だったんだ!
アトピー性皮膚炎や、偏頭痛があるものの、大きな不調は感じておらず、健康状態や生活習慣を見直すことを目的にご来院されました。
2011年4月
検査結果は卵が高レベル、乳製品が中レベルの反応でしたので、
- 特に強い反応が出た食材を控える
- 控えた食材の代わりに摂るべき栄養素をはじめ、食生活全般の見直し
- 腸内環境を整える食物、サプリメントの摂取
に取り組んでいただきました。
半年経過しても自覚症状に大きな変化はありませんでしたが、久しぶりに卵を食べた翌日に偏頭痛を感じ、そこで初めて、時々感じていた偏頭痛の原因が卵かもしれないことに気付いたそうです。その後、偏頭痛はほとんど起こらなくなりましたが、多量に卵を食べた後は肌の調子が崩れる等の不調を感じるため、卵を多量に摂らない生活を継続されています。
ご本人の感想
完全栄養食と思っていた卵に反応が出たことにとても驚きました。健康を見直すには、1種類で完全な食材はないこと、不足している栄養素を足しつつ、合わない食材を避けるバランスが大切であるということをご指導いただき、食事の改善に取り組みました。
もともと不調を感じていたわけではないので、食事を変えてもすぐには変化を感じませんでした。半年後に久しぶりに卵を食べ、翌日に偏頭痛を感じて初めて、最近偏頭痛を感じていなかったことに気が付いたくらいでした。その当時感じている症状が当たり前になることで、自分に不調があることに気付きませんでした。そのまま日々を過ごし本当の不調につながる前に、生活を見直すことができて良かったと思っています。
今は偏頭痛が出ることはほとんどなくなり、卵も時々食べていますが、多く食べると肌が荒れたり、お腹が緩くなったりするので、食べる量を調節しています。
あれから6年ほど経ちましたが、大きな不調はなく過ごしています。自覚症状だけを頼りにせず、半年~1年に1回、数値で評価しながら健康を見直すことを続けているからだと思っています。
原因不明の不快症状
55歳 男性 会社役員原因不明の全身の痒み
「原因がわからない全身の痒み」「花粉症」や「ドライアイ」「鼻炎」「日中の眠気」などを理由にご来院されました。
2016年3月14日
検査結果は、レベルⅤ以上の卵・乳製品・大豆・しょうが・さとうきびを始めとして、ほぼすべての食物に対して強い反応がみられる、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)の状態でした。
この検査をもとに、
- 腸に負担をかけないように消化吸収機能を高める食べ方の工夫
- 腸管壁に炎症を起こしやすい食材を控え、抗炎症のサプリメントを摂取する
- 特に強い反応がみられる食材を控える
- 腸内細菌叢(腸内フローラ)を整える食品・サプリメントの摂取
これらを15か月間取り組んでいただきました。
- 当クリニックでは、検査結果によって再検査までの日数は異なります。
2017年6月6日
検査結果は、レベルⅤ以上卵・乳製品は依然高めですが、初回検査時にみられたようなすべての食物に対しての強い反応は改善しているのがわかります。
腸管壁が修復され、バリア機能が改善したことが推察されます。主訴であった、身体の痒みはすっかり改善されて快適に過ごされているということでしたので、週に1回から卵、乳製品、小麦の食材の摂取を再開していくことにしました。
ご本人の感想
私がこんなに健康に気を遣うようになったのは、母親ががんになってから他界するまで5年間サポートしていく中で、自分の身体は自分の責任で守っていくことの大切さを痛感したからです。病気になって、医師頼みでというような思考停止の人にはなりたくない!とは言え、世の中の山とある健康法のうち結局どれが自分に合っているのかわかりませんでした。今は、ごきげんクリニックさんと出会って、自分に合った改善目標とその進捗状況がわかるようになりました。食べられないものが多いのは少し寂しいですが、こんな出会いを多くの方に体験してほしいと思っています。
アスリートの症例
26歳 男性 陸上選手便通の回数が多くいつも緩い状態、試合やトレーニングの最中に駆け込むことも
「きれいな形になる便が出ない」「大切な試合中に便意を催すのが不安」「肌荒れ」「爪の割れやすさ」などを理由にご来院されました。
2015年4月
検査結果は、レベルⅤ以上の卵・乳製品・キウイ・パイナップル・しょうがを始めとして、多くの食物に対して強い反応がみられる、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)の状態でした。
この検査をもとに、
- 腸に負担をかけないように、消化吸収機能を高める食べ方の工夫
- 腸管壁に炎症を起こしやすい食材を控え、抗炎症のサプリメントを摂取する
- 特に強い反応がみられる食材を控える
- 腸内細菌叢(腸内フローラ)を整える食材・サプリメントの摂取
- ストレスマネージメント
これらを12か月間取り組んでいただきました。
- 当クリニックでは、検査結果によって再検査までの日数は異なります。
2016年4月
検査結果では、卵・乳製品以外の反応が改善しているのがわかります。
腸管壁が修復され、バリア機能が改善されたと推察されます。
ご本人の自覚症状も、「きれいな便になった」「試合中に催すのではないかという不安はなくなった」とのことです。
⇒特に身体が資本となるアスリートですので、卵・乳製品を控えている分、たんぱく質やカルシウムなどの摂取はその他の食材・サプリメントで十分に補充しています。また3か月に1回の血液検査の栄養分析でも大きな問題もなく経過されています。
このケースの特徴として
- アスリートは肉体的・精神的なストレスが多いので、それに対するケアが必要です。特に肉体的ストレスに対して、睡眠・食事などを整えることが重要です。
- 負荷の強い運動をくりかえすと、腸管血流が相対的に不足する可能性があり、腸のバリア機能の低下を招くことがあります。
- アスリートは「胃腸が弱い」人が多いので、遅発型フードアレルギー検査を一つの指針として消化吸収力もサポートしながら、身体に合った食事をすることが重要です。
30代 女性 プロテニスプレイヤー体重が減らない。やせない理由はカロリーオーバーではなく食べる内容だった!
「ふらつき」「下痢」「気分のむら」「熱が出やすく、免疫力が下がった気がする」「思うように減量できない」ことを理由にご来院されました。
2012年6月
検査結果は、卵・乳製品に強い反応がみられました。
まず、半年間は卵と乳製品を極力避けてもらいました。大好きだったヨーグルトは豆乳ヨーグルトに、牛乳もほとんど飲まない半年間を過ごしていただきました。代わりのたんぱく源として、アスリートの筋肉をつくるため、肉を多めに食べていただくようにしました。
アレルギーを意識してからは、予想外に間食をしていたことに気付き、ケーキや甘いものなどのおやつも控えるようになり、食生活全体をふりかえることで、骨格筋量は減らずに、半年で4kgの体重減少と体脂肪率の低下が見られました。
2015年9月
ご本人の感想
自分が変わりたいと思っているのに、今まで変わることができなかったのがすごくストレスでした。こんなに気をつけているのに体脂肪が減らないとか、これだけ動いて追い込んでいるのに、体脂肪が減るよりも先に怪我をしてしまったり。食事に問題があることはわかっていたけれど、解決方法が自分ではわかりませんでした。でも、それらを知るきっかけとなったのが遅発型フードアレルギーの検査でした。
子どもの症例
4歳 女児咳喘息の診断で飲み続けている内服薬を止めたい
長期間続く咳のため近くの病院で受診したところ、咳喘息の診断を受け、鎮咳薬・去痰剤・抗アレルギー薬を処方され内服されていましたが、夜間の咳が改善しませんでした。
- 既往歴:
- 特になし
- アレルギー歴(即時型):
- ハウスダスト・ブタクサ・ピーナッツ
2011年8月
遅発型フードアレルギーの可能性を疑い検査を行ったところ、卵、乳製品、小麦に強い反応がみられました。可能な限り、卵、乳製品、小麦を避ける食生活に変更したところ、2週間後には症状は改善し、就寝時もほとんど咳をしなくなり、3ヵ月後には鎮咳薬、去痰剤を中止、5ヵ月後には気管支ぜんそく治療剤も中止することが出来ました。
2012年3月
治療開始して6か月後の検査では、初回検査時強い反応の見られた卵、乳製品、小麦に対する反応は低下していたため、週1回程度より、卵、乳製品、小麦食材の摂取を再開していますが、今のところ咳症状はみられず安定しています。
このケースの特徴として
- もともと好きな食べ物の中に卵や小麦粉が含まれているものが多かった
- 4歳ということもあり食事に関する両親のサポートが非常に効果的であった。
- ライフステージ的に成長に与える影響があるため、単なる除去食ではなく、除去により失われる栄養を他の食物で十分に補うことが大切。
- 喘息やアトピー性皮膚炎ではIgEが上昇していることが多いが、このケースのように、特定の食物に対するIgG高値例も比較的多く見られるといわれている。また、即時型と遅発型のどちらも持っているケースも少なくない。
- 腸内環境を整えることによって、即時型のアレルギーの症状も改善することもある。
保護者の方のご感想
2017年現在、アレルギー体質ではありますが、以前のような喘息様症状は一度も現れず、去年は風邪やインフルエンザで寝込むこともなく、元気に学校に通っております。体質改善のために一時的に控えていた卵、乳製品、小麦は、今は全く気にせずに食べています(但し、牛乳、ヨーグルトは嫌いなようですが)。お世話になったこともあり、また、私の職業柄から、基本的にバランスの良い食事(3度の食事、積極的な野菜の摂取、肉と魚のバランス、豆類、小魚の摂取など)を心がけています。娘も好き嫌いはかなりありますが、食事の大切さを話しているため、それなりに理解しているようです。
遅発型アレルギーについては、正直なところ、否定的な意見も聞いていましたので迷いましたが、当時は毎晩の咳と体の一部に不定期に出る発疹などを家族で悩み、どうしたら良いのか分からずにおりましたので、クリニックに伺いました。先生や看護師さんの詳しい説明をお聞きして、納得して検査を受け、その結果に基づいて除去食を進めるにつれ、徐々に改善が見られた時に妻と驚き、ほぼ症状がなくなった時の感謝は今も忘れません。
世の評価が様々あるにしろ、実際に、検査して、対処したことで治ったことは事実であり、似たようなケースでお悩みの方が救われるように願っております。