« 日経新聞をご覧になった皆様へ | メイン

2008年06月03日

笑っていられない高齢者のオーラルケア〜健康のための虫歯予防〜

高齢者にとって、総体的な健康を保つためには、歯を健康にすることが不可欠です。
予防歯科治療をしておけば、歯科治療に費用をかける必要がなくなり、深刻な病気予防にもなります。
しかしアメリカでは、65歳以上の人は歯の治療費が自己負担であるため、
金銭的に苦しくなると定期的に歯科医院に通うことをやめてしまいます。
高齢者は、口腔疾患になりやすいので“なしで済ます”という決断をすることで
深刻な結果をもたらしてしまうのです。

***********

●虫歯から敗血症に

高齢者の約1/3が虫歯治療をしていません。
そのうち75歳以上の50パーセントが根面カリエスです。
治療をしていない虫歯は、痛みや歯の腫瘍の原因となり、
菌血症や敗血症といった、深刻な感染症を引き起こす可能性があります。


●高齢者に多い口腔がん

口腔がんは、主に高齢者が診断される病気です。
アメリカでは毎年、3万件の口腔がんと咽頭がんが診断されており、
毎年、8千人がこれらの病気で死亡しています。
早期のがんは痛みがなく発見されにくいため、
専門家による口腔検査が定期的に必要です。


●薬のせいで起こる口渇

65歳以上の人のうち、30パーセントが口渇を経験しています。
虫歯や歯周病の進行をより速めてしまう口渇は、
高齢者の場合、薬物摂取が原因です。
高血圧の薬や、コレステロール降下剤、アルツハイマーの薬などの
400の薬には副作用として、口の乾燥があります。


***********

口内の病気による悲劇は、予防できるものがほとんどです。
事故による損傷は除きますが、歯の治療に関して、検査やレントゲンを撮ることで、
かなり安く済ませることができます。
もし虫歯や病気が見つかっても、早急に治療すれば、
治療費を安く抑えることができるのです。

「高齢者が歯の手入れを怠ると、深刻な健康状態に陥る危険性をはらんでいます」

Geriatric & Special Needs Populations of the American Dental Association (ADA)(高齢者および身体障害者の米国歯科医師会(ADA))の
バーバラ.Jスミスは言います。

例として老人ホームに入っている高齢者が抜歯する場合、
治療は100ドルです。
しかしながら、その歯を治療しなかったため、
その高齢者は歯牙感染を起こし、結果、心臓停止を起こしました。
老人は2日間、集中治療室に入り、手術をした後、
15日間入院しました。
これにかかった医療費はおよそ4万5千ドルでした。
高齢者が歯の治療を怠れば、健康面、財政面に大きな影響を及ぼすのです。


日本のオーラルケアは欧米に比べて遅れていると言われています。
おいしく食べ、長生きするために、オーラルケアを心がけたいですね。

投稿者 : kenkoo 16:10

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kenko.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/34