« 食事制限のイライラにご用心! | メイン | 閉経後の生活も、自分でコントロールしよう ~ パートⅠ ~ »

2006年06月13日

注目の科学:100歳以上まで生きる

保険計理士協会(SOA)の新しい研究によると、長女はその後に生まれる妹より、100歳まで生き延びる可能性が3倍も高く、長男は、4男、5男、6男の息子に比べて100歳になる可能性が2倍高いということが分かっています。年齢100歳以上の人たちのデータを約1000人分集めたこの研究では、出産順位、出生地、生まれた月などが寿命に関連していることが示されています。

では、そのつながりとは?

出生順位と寿命の関係は、幼児期の生活環境が影響を及ぼしているようです。「子どもの数が増えるにつれて、家族の資源にも負担がかかってきます」と、シカゴ大学のナショナル・オピニオン・リサーチセンターで、レオニド・ガヴリォヴ博士と共に100歳以上の人の研究をしている研究者ナタリア・ガヴリォヴァ博士は言います。「後から生まれた子どもは、両親からの配慮や監視が少なくなるので、幼少期の事故がより多くなります。また、後から生まれた子どもは、先に生まれた兄や姉よりも医療的ケアが少なくなるため、感染、栄養失調、深刻な病気などの危険性が増えるのです」

アメリカの西部で育てられた農家の子どもは、100歳以上まで生きる可能性が高い、ということから出生地と寿命の関係も、この研究で挙げられています。「100年前の農場では、現在あるような加工食品もなく、より栄養価の高い新鮮な食べ物で生活していました」とSOAの創立者であり、プロジェクトの監視委員会の会長であるトーマス・エドワルズ氏は言います。彼は「長寿の要因として、出産前および出産前後期の栄養が非常に関連していると思われます」とも述べています。

平均寿命が80歳の人では、生まれ月が関連していることが分かっており、10月11月生まれの人は、4、5、6月に生まれた人よりも長生きしています。「特に年少の頃の臨界期は、過去の生活環境における季節的な変化に非常に反応しやすいことをこの結果は示しています。たとえばビタミンの供給や、感染症の季節的暴露などです」とガヴリォヴァ博士はいいます。

しかし現代では、年間を通しての新鮮な食べ物、ビタミン補助食品、医療ケアの改善などが幅広く利用できるため、生まれ月などは、生まれてくる子どもの寿命を決定する大きな要因にはなりません。実際に、今後、老人になる人々の寿命に関してはまったく別の話となります。アメリカでは100歳以上の年齢層は急速に増加しており、毎年4.1%増えています。

「寿命の予測や私たちの社会やビジネスへの関わり方を考え、理解を深める際に、この研究は役に立ちます。」とエドワルズ博士は言います。「また、この人間の寿命に関する研究は、家系図などを新しくコンピュータ化したデータを利用することで、近代化させ進化させることもできることを示しています」とも言っています。

*この研究に関して、ガヴリォヴァ博士たちは、1875年~1899年にアメリカで生まれた100歳以上になる1000人の家族データの詳細を評価しました。連邦社会福祉局の死亡総括ファイルの記録に連結させ、1900年、1910年、1920年のアメリカの人口調査の資料を再調査しながら、7500万人のコンピュータ化した家系図、有効な年齢と誕生日からデータを収集しました。

投稿者 : kenkoo 11:26

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kenko.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/15